江川純太 個展『正解の裏の裏の横』@eitoeiko


江川純太


瑞々しい色彩の油彩画による抽象表現を追求する江川純太(1978年神奈川県鎌倉市生まれ)。
作家自身の記憶がどこまで正しいのか。そもそも間違っているのか。
記憶の中の出来事が本当にあったことなのか。実際には存在しないことなのか。
記憶という存在をあやふやなものと見なしている江川純太は、現在という瞬間における選択と、
選択したことによって生じる結果にこだわります。
このたびの個展では製版されていないシルクスクリーンを用いた油彩画を発表いたします。
本来シルクスクリーンはインクがメッシュを通過しない部分を製版してイメージを複製する
技法です。製版せず、ただメッシュを使用するとインクが全てのメッシュの穴を通過できる
ため、シルクスクリーンとしては失敗とみなされます。
しかし版としての役割、複製という機能を奪うことで、逆にイメージは解放され、色、
インクである油絵具の物質性、伸ばし方や押し付け方などの行為に作家は新しい価値を
見出しました。完成した作品はイメージの崩壊と再生、曖昧な記憶と記録の繰り返しであると
作家は考えます。無駄を繰り返すことで、違う価値が生まれる。
そこで確かなものは、やはり絵を描く瞬間の選択なのだ、と江川は制作の原点に立ち戻るのです。
ジョージ・オーウェルの『1984』に描かれる二重思考のように、江川は記憶や記録を矛盾を
孕んだ危ういものと捉え、選択と結果に事実の存在を感じているのです。

「我々はきっと、変わっていかなければならない。今までの常識ではなく、新しく考え、
新しい価値、新しい人間のあり方、新しい世界を模索していくべきだ。」

江川純太はそのように考えます。新作ペインティングによる充実した個展をこの機会に
ぜひご高覧ください。また会期終了後の11月7日~12月6日には、藤沢市に新しく開館する
藤沢市アートスペース「FAS」にて、オープニング展覧会「From now on!! 藤沢発、
アートのこれから」の第2期展「Tri-Angle - 作品との対話」に参加いたします。


1978年 神奈川県鎌倉市生まれ
2003年 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻卒業


主な展覧会
火星の記憶 eitoeiko 2010/
OVER TONE II 神奈川県民ホールギャラリー 2010/
正解も不正解も消えた。それが答えなのか? eitoeiko 2011/
さっき見た新しい世界を忘れて、また見る瞬間の eitoeiko 2012/
トーキョーワンダーウォール都庁 2013/
VOCA展 上野の森美術館 2013/
TWS-Emerging あなたは見ている。僕は何処か遠くのことを考えていた。TWS本郷 2013/
選択が迫る。後ろはみえない。僕は掴んだ手を眺める。eitoeiko 2013/
Licketh The Rainbow JAUS ロサンゼルス 2013/
アーティスト・ラボ「つくられる」の実験 川口市アートギャラリー・アトリア 埼玉 2014/
全ては奥歯で砕かれる。 eitoeiko 2014/
あいちアートプログラム アーツ・チャレンジ 愛知芸術文化センター 2015

主な受賞
シェル美術賞入選 2008/トーキョーワンダーウォール入選 2010、2011/トーキョーワンダーウォール賞 2012/第25回ホルベインスカラシップ 2012


●会期
2015年9月26日(土)~10月24日(土)
開廊12時から19時  日月祝休廊
オープニングパーティー 9月26日(土)18時~20時


●会場
東京都新宿区矢来町32-2