川又仁奈 個展『光の透過』@YODギャラリー


nina
「花束」2015年
62×52mm cm、絹本、岩絵具、墨、エポキシ樹脂

 
川又仁奈、約3年ぶりの個展がYODギャラリーで開催されます。
これまで、伝統的な日本画の技法を駆使しながら、草花で装飾された
西洋の神話に登場するような人物や天使を創造的に描くことにより、
理想郷や崇拝の対象、自然と人間というテーマで独自の世界感を
表現してきました。
今回の展示では、人の感情や心象により焦点を当て、伝統的な
日本画のミディウムと樹脂を組み合わせた新たな表現に臨んでいます。
 
 川又は、日本画のミディウムである絹や岩絵具を最大限に生かせる
方法に関して考察を重ねた結果、伝統的な形式である軸装を脱却し、
岩絵具により描かれた絹を樹脂でコーティングすることにより、
その描写されたイメージの持つ透明感を活かす手法を新たに取り入れました。
このことより、作品は光の当たり方や角度の違いによって鑑賞者に違った
印象を与え、同じ対象に対して人それぞれ違った捉え方があることや、
価値観の相違などを示唆します。
 
 今回のテーマである人の感情、内面、心象の揺らぎのようなものを、
軸装からの脱却によって可能になった岩絵具の絶妙な加減の薄塗りや、
絹の透明感が繊細に表現しています。このような手法によって描かれた
顔の表情からは、人の内面の複雑さや、敏感さを読みとることができ、
植物やヒビのような模様は心の多様な内面世界を描かれた人物に投影
または付加しているようにも見えます。川又は、生活や環境の変化から、
自分と対峙する時間が増えたことにより、人の心や感情の問題について
考えることが多くなったといいます。そのことがこれまで制作してきた
壮大なテーマから、よりパーソナルで素直な表情の表現へと繋がったと
言えるかもしれません。
 


□ 川又仁奈  プロフィール

1987年 茨城県生まれ
2013年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 芸術表現専攻 修了 
京都市在住


受賞歴
上羽絵惣株式会社奨学生
2008年 ミロのヴィーナスデッサンコンクール 優秀賞
2010年 「アールデビュタントURAWA2010」 入選

個展・グループ展
2013年 「関西女子絵画展」、阪急百貨店本店、大阪
2012年 「京都七星」、ギャラリーi、京都
    「艶展」、和歌の裏アートキューブD1、和歌山
    「日本の絵」、maronie、京都
    「SPURT展」、京都造形芸術大学ギャラリーAUBE、京都 
    「生まれたてのかたち」、三越伊勢丹、大阪
    「T-ART in Taichun 2012」、台中、台湾
    「solo exhibition【apoptosis】」、高松天満屋、香川
    「Art Tainan 2012」、台南、台湾
2011年 「ELEVEN Girls Art Collection」、ながの東急百貨店、長野
    「三者三葉」、YODgallery、大阪
    「Re」、同時代ギャラリー、京都
    「ZOU 日本画orNOT」、海岸通ギャラリー・CASO、大阪
    「ELEVEN Girls Art Collection」、松屋銀座、東京
    「画心展」、むろまちアートコート、京都
    「Gombessa proposal ep1「I am japanese」」、BAMI Gallery、京都
    「Art Beat~奏でるアート~」、SAAWYER CAFE、東京
2010年 「ELEVEN Girls Art Collection」、ながの東急百貨店、長野・GALERIE青踏、広島
    「A-CTION2010」、京都造形芸大内ギャルリ・オーブ、京都
    「アールデピュタントURAWA2010」、浦和伊勢丹、埼玉
    「春の宴の百鬼夜行」、ギャラリー上原、東京
2009年 「月イチ展」、ギャラリースエヒロ、京都
 


●会期
2016年1月16日(土)~ 2月6日(土)
12:00~19:00
レセプションパーティー 1月16日(土)18:00〜

入場無料

●会場
大阪市北区西天満4-9-15  第一神明ビル1階
営業時間 :12:00~19:00
閉廊日:日・月曜日
TEL: 06-6364-0775