松本和子 個展『愛好家の面影』@MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w


松本和子


松本和子が絵画表現に用いるフレスコとは、イタリア語で<新鮮な>を
意味する古典技法です。
その中でも真のフレスコと呼ばれるブオンフレスコは、シンプルな材料
(石灰、砂、水)で練った漆喰を左官の要領で平に塗り、その漆喰が
新鮮な状態、つまり硬化していない生乾きの間に、水溶きの顔料で描画します。
漆喰が乾燥する過程で、石灰の化学変化により顔料は内部にとりこまれ、
表面にガラス質の皮膜が形成されて画面が強く保護されるようになります。

また、ブオンフレスコと共にしばしば用いるストラッポとは、<剥がす>
という意味の壁画の修復技法です。ストラッポは、フレスコの彩色層のみを
膠の吸着力によって漆喰壁から剥がし、麻布等のうす布に貼り付けます。
これにより、漆喰壁と共にあることでしか成立しなかった絵画空間を、
元の壁から剥がし、新たな形で再編成することに繋がります。

松本は、これらの古典技法を用いて、プライベートな場所やものをモチーフとして
描き、身体や記憶、空間の表現について今日的な可能性を探ろうとしています。 


松本和子(まつもとかずこ)

1988   大阪生まれ
2015 京都市立芸術大学 大学院美術研究科 絵画専攻壁画修了


個展
2016 「愛好家の面影」MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/京都
2015 「last frontier」芝田町画廊・大阪
2014 「Record for Lady」芝田町画廊・大阪
2013 「Promise of yesterday」芝田町画廊・大阪
2011   「松本 和 個展 uijin」芝田町画廊・大阪

受賞歴
2015 2015京展 京展賞


 
●会期
2016年6月11日~7月2日
11:00~19:00(最終日は17:00終了)


●会場
〒600-8061 京都市下京区富小路通高辻上る筋屋町147-1
日曜・月曜休廊
電話番号 075-341-0222