川北英 展『建築家の視線』@アートスペース虹
POINT of VIEW
たとえば“祇園”という街に建築を計画する場合、一般的には周辺の建物の
デザインに習うというのが通常です。木製格子や瓦屋根といったデザイン
アイテムで建築を構成すれば合格点をもらえます。
しかし、祇園の街をよく観察してみると同じデザインは一つもなく、
むしろ隣の建築といかにして違いを演出するかを競い合っています。
違いを競い合いながら、“祇園”という街の統一感が失われていないのは
なぜでしょうか?
デザインに習うというのが通常です。木製格子や瓦屋根といったデザイン
アイテムで建築を構成すれば合格点をもらえます。
しかし、祇園の街をよく観察してみると同じデザインは一つもなく、
むしろ隣の建築といかにして違いを演出するかを競い合っています。
違いを競い合いながら、“祇園”という街の統一感が失われていないのは
なぜでしょうか?
そこには、良質な文化の本質を理解している職人や建築家の視座がある
ように感じます。
ように感じます。
建築家エーロ・サーリネン(Eero Saarinen)の作品はその表現の多様性から、
彼にはスタイルがないという批判を受けたことがありますが、その多様性の
底に潜む確固とした理念・哲学を理解すると一気に彼を理解することができます。
彼にはスタイルがないという批判を受けたことがありますが、その多様性の
底に潜む確固とした理念・哲学を理解すると一気に彼を理解することができます。
私にとって、スケッチをすること・絵を描くことは風景や物などの対象物と対峙し
見つめあい、それらが持っている本質を理解するための手続きのようなものといえます。
無心になって、鉛筆を走らせながらその過程で見えてくるもの。
建築の原点はそのあたりにあるのではないでしょうか。
見つめあい、それらが持っている本質を理解するための手続きのようなものといえます。
無心になって、鉛筆を走らせながらその過程で見えてくるもの。
建築の原点はそのあたりにあるのではないでしょうか。
頭の中で考えているだけでは見えてこないものが、絵を描くプロセスの中で見えてくる。
この不思議な体験ほど気持ちいい瞬間はありません。だから、絵を描く!!!
この不思議な体験ほど気持ちいい瞬間はありません。だから、絵を描く!!!
2016.04.28
川北 英
作家略歴
1949年 京都生まれ
1972年 京都工芸繊維大学 建築工芸学科卒
1972年(株)竹中工務店入社
1999年~2003年(株)竹中工務店広島支店設計部長
2003年~2004年(株)竹中工務店東京本店設計部総括部長
2004年~2012年(株)竹中工務店プリンシパルアーキテクト
2005年~2016年(公益財団法人)ギャラリーエークワッド館長(兼務)
2016年~ (公益財団法人)ギャラリーエークワッド参与
2006年~2008年 京都工芸繊維大学非常勤講師
2009年~2013年 大阪大学非常勤講師
2009年~ 京都建築大学校 特任教授(非常勤)
2013年~ 京都美術工芸大学 教授(非常勤)
主な建築作品
1989年 京料理なかむら
1990年 新神戸オリエンタルシティーC3
1995年 武者小路千家起風軒
1996年 祇園畑中
1998年 佐川美術館
2002年 岡山アートガーデン
2005年 聖ステパノ学園講堂
竹中工務店東京本社
2008年 アステラス製薬筑波研究センター
主な展覧会
2007年 “無の空間”ニューヨーク日本クラブギャラリー
2008年 “建築家の視線”ソウルSPギャラリー
2013年・2015年 パリGalerie SATELLITE1.2(4人展)
他多数
●会期
2016年7月5日(火)~7月10日(日)
11:00〜19:00
※最終日のみ18:00まで
●会場
京都市東山区三条通神宮道東入ル東町247
Tel.&Fax. 075-761-9238
※月曜休廊
11:00〜19:00
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