あまらぶアートラボ A-Labで開催中の、A-Lab Exhibition Vol.3
新鋭アーティスト発信プロジェクト『A-Lab Artist Gate 2016』
に行ってきました。
これは尼崎市役所の企画で、今春、芸術系の大学・専門学校・大学院を
卒業生の中から、あまらぶアートラボの、A-Labアドバイザーが推薦した、
今後活躍が期待される若手アーティストのグループ展なんです。
7名の参加アーティストの作品を紹介します。
 

■吾郷佳奈さん (京都市立芸術大学卒)
自画像と自身が外部化されているモチーフを見つけては鏡にペンを使った
ドローイング作品です。展示方法がユニークで、鏡に描かれたドローイングを
見ているだけでは何が描かれているのかよくわからないのですが、正面からの
照明が当たると向かいの壁面に反射し、そこに映された影が見事にモチーフを
映し出すのです。今春に見た卒展でもこのようにしたら良かったのにと思ったり。

アゴウ1

アゴウ2


会期中の毎週土曜日13:00~18:00は会場でライブドローイングをされています。
各週で立ち位置を変えて、その角度から見える来場者を含んだ景色をトレース
するといった試みです。

アゴウ3
 

■イ スジンさん (大阪芸術大学大学院卒)
約30cm四方のキューブの中に部屋の模型を作り、そこにいる人の目線で
撮った花を詩と写真にした作品です。そこに存在する花は
「作者の記憶の部屋に住み着いている誰か」なんだそうです。

イ スジン1

イ スジン2
 

■井上理緒奈さん (京都精華大学卒)
ある日、電車に乗っていながら色々な乗客を見て、その人達のことを
何気に考えていた瞬間、トンネルに差し掛かったそうなのですが、
暗くなったガラスに反射する自分の姿を見て「そうか。自分が色々な
乗客を見ていたけど、自分も誰かに見られているんだ。」と強く意識し、
映像と音で表現したインスタレーションです。

井上理緒奈1

井上理緒奈2
 

■上田要さん (京都精華大学卒)
大きな鉄の箱を巨人が握り潰したような立体作品で、
大きなサイズに対して丁寧に作った印象でした。

上田要
 

■上田優奈さん (京都市立芸術大学大学院卒)
ルービックキューブやCDなど、身の回りにあるようなモチーフを簡略化し、
シルクスクリーンで表現することによって頭の中でイメージが組み立て
られる印象の作品でした。

上田優奈1

上田優奈2
 

■尾崎友哉さん (ビジュアルアーツ専門学校大阪卒)
街の日常の中で、自分が見たと思っていても、その瞬間は本人には些細な
出来事なのでそこまで記憶していない。それを写真という媒体で記録する
ことによって生まれる日常に潜む非日常のような違和感を捉えた作品です。

尾崎友哉1

尾崎友哉2
 

■山田勇魚さん (東京芸術大学大学院卒)
透明樹脂のクジラの中に綿や砂を閉じ込め、輪廻の世界を表現した作品です。
作家本人の「勇魚(本名)」というのはクジラのことだそうで、
今迄は避けていたモチーフを卒制で初めて挑戦したそうです。
見た目が美しく、インテリアとしても需要がありそうな素敵な作品でした。

山田勇魚2

山田勇魚3

 
一方、『付喪神の部屋』というインスタレーションは、もしも身近にある
道具や家具に付喪神が宿ったらというテーマの作品です。
日本古来から伝わるアニミズム的な観念からインスピレーションを得たそうで、
碁盤やカレンダーにいたるまで、欠けた所がまるで生き物のような断面に
なっていて生命があったような感覚がよく共感できます。

山田勇魚4

山田勇魚5

山田勇魚6



ただ、箪笥の引き出しや冷蔵庫を開けると内蔵のような物がいっぱい
設置されていて、「生命があったような感覚」というより、
グロテスクな物を作る楽しみにのめり込んでしまったようなのが残念でした。
やり過ぎによって趣旨がズレてしまい、じぶたれ作品になってしまったかな
という印象でした。でも造形力は良いと思います。

山田勇魚7
 


行く前はそんなに期待もしていなかったのですが、
予想に反して見応えのある作品ばかりで、面白い展示でした。
彼ら彼女らが、今後もどこかで活躍する日が来るのを楽しみにしています。
会期は、7月18日(月・祝)まで。 ※火曜日休館日

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