八太栄里 個展『気配、滅んでいくまで』@GALLERY龍屋


八太栄里個展 気配、滅んでいくまで


「気配、滅んでいくまで」
作品に出てくる少女は誰なのかよく問われる。過去の自分の分身という
面もあるが、絶対にそうでないといけないこともない。
個人的な記憶をもとに、実際に自分が訪れたことのある場所を題材にするため、
自分と似た姿で人物を描いているが、近頃は少女の中に自分の感情は
そこまで乗りきらず、内面から離れた存在になってきている。
 
残留思念という言葉がある。人が強く何かを思った時にその場所や物に
残る思考や感情といった思念のことを指す。
私が描く少女は残留思念のような存在であると思っている。
過去か未来か何処か別の次元から来たように、もしくは幽体のように、
実体はそこには無い。風景画を完成させてから最後に少女を付け足す
描き方をしているのはそのためである。
先に述べたように少女の思念は私の個人的な感情というわけではない。
残留思念というものそれ自体が少女の形をしているといったほうがしっくりくる。
少女の形をした思念は、鑑賞者と描かれた風景と記憶を結びつける架け橋
のような役割を担っている。
その記憶は時には私自身であり、私以外の何者かであり、
鑑賞者自身の物にもなり得る。
そのように、土地の気配や人の記憶、思念など形のないものを少女の形に
代えて表現しているというのが現状だが、今後それがどのような形になって
いくかはまだ分からない。
少女が主役なのではなく、あくまでその土地の色や空気の中に何かを見出す
ということを目的に今までも描いてきたが、いまいちど画面に現れる少女の
役割と存在と今後の消息について改めて見つめなおし、形の無いものを
如何に描くかを探るため、今回の展示では「気配」と「存在」というものに
焦点を当てたい。

●会期
2017年10月6日(金)~10月15日(日)
会期中無休
11:00~19:00 
(最終日も19:00 まで)


●会場
柏井町公園通542
TEL: 0561-52-5855