岩名泰岳 個展『七ツノ華』@ギャラリーあしやシューレ


岩名泰岳 七ツノ華


数年前、私の制作拠点である三重県伊賀市島ヶ原(旧阿山郡島ヶ原村)
のある老人に集落の記憶についての取材を行った際に『七ツノ華』
という冊子を見せていただいた。
これは1927年(昭和2年)に三重県旧阿山郡西部青年団が発行した文集である。
文集の名は発行に参加した7つの村の青年団のことを指している。
旧島ヶ原村青年団もそのうちのひとつの〈華〉だった。
後年の市町村合併により現在この7つの村はもう存在しない。
島ヶ原村も2004年に解体され、青年団もまた解散した。
『七ツノ華』に寄稿した昭和初期の村の若者たちは、農村から都市部への
人口流出や経済格差、農業人口の減少による田畑の荒廃など、
当時の実状とそれを克服しようとする決意や団結を綴っている。
彼らが直面した〈風景〉の一部は90年後の現在も同じ土地でつづいて
いることと読むことができるし、彼らの理想や挫折、再生もまた
繰り返されていると言える。
この展覧会に送るすべての絵のタイトルには『七ツノ華』に掲載された
テキストの断片を引用させていただいた。
これらの言葉は彼らの物語を示すものであるのと同時に、私や(私がこの
土地で参加してきたプロジェクトの)仲間たちの物語を示す言葉である。

      岩名泰岳


●会期
2017年11月5日(日)~12月2日(土)
12:00~18:00(最終日17:00まで)

 ●会場
兵庫県芦屋市親王塚町3-11
電話 0797-20-6629
水・木曜日休廊  ¥無料