刺繍する犬 個展『無効化された音の装置』@YOD Gallery


繍する犬 個展 無効化された音の装置
「Protective coverall, noise」 2017   約180 × 50cm
化学防護服に刺繍:DuPont社製化学防護服、鉛、フェルト、刺繍糸
 

  その昔、女性を社会活動や政治活動から疎外する為にあてがわれた
という説もある手仕事「刺繍」は、女性の労働の象徴と捉えられた
事もありました。その技法を敢えて用いる彼女にとっては諸刃の剣の
ような表現手段であり、彼女自身の美徳や力強さをも表現しています。
パソコンや電子機器の基板などをモチーフとし、一針、一針貫かれ
「転写」される作品は、決して「ソフト」や「軽い」といった形容詞が
当てはまらず、彼女が感じる抑圧に対する抵抗を、素材の転換を通して
表現しているように思われます。

  本展では分解され内部が刺繍された音響機器や基板、ゼラチンに
閉じ込められた音の波形、鉛で封じ込められたターンテーブルなど、
目に見えない音が可視的でソリッドな「無効化」されたものとして
表現されています。包むことにより音を遮断するという行為は、
目に見えない社会的抑圧への抵抗が仮託されると同時に、社会システム
の中で護られることのない声なき声がこだまする現状を示唆し、
能動と受動が混在する作品の中で鑑賞者の観点が問われます。

  手仕事と大量生産。美術と工芸。社会にコントロールされた雄性と雌性。
このような二元論のはざまで抵抗し、解放されていく刺繍作品です。



刺繍する犬(Stitch Dog) 

大阪生まれ
京都嵯峨芸術大学 卒業
2007年より創作活動開始


[主な個展] 
2010年 SOLO EXHIBITION、浜崎健立現代美術館、大阪
2011年 SOLO EXHIBITION、浜崎健立現代美術館、大阪
2013年 SOLO EXHIBITION、SPES-LAB、恵比寿、東京


[主なグループ展] 
2010年 MAKE:Tokyo Meeting 06 、東京工業大学 、東京
2012年 Maker Faire Tokyo、日本科学未来館 、東京
2014年 Young Art TAIPEI、YODギャラリーから出展、台湾
2014年 Group EXHIBITION、Tambourin Gallery、青山、東京
2014年 Group EXHIBITION、Galaxy gallery、大阪
2015年 Young Art TAIPEI YODギャラリーから出展、台湾
2015年 group EXHIBITION、Links Gallery、大阪
2016年 VOLTA 12、YODギャラリーから出展、バーゼル、スイス
2016年 ライゾマティクス主催「ANALOG」Vol .01、東京
 

●会期
2017年12月23日(土)~ 2018年1月27日(土)
12:00~19:00
入場無料

●会場
大阪市北区西天満4-9-15  第一神明ビル1階
閉廊日:日・月曜日
TEL: 06-6364-0775