大槻香奈 個展『がたんごとんひるね』@創治朗


2016年には、近年の大槻のキーワード「空虚」をめぐって、
主要モチーフが「少女」から「家」へと移行しつつある時期の貴重な
記録となった展覧会「神なき世界のおまもり」を開催いたしました。

今回は、2017年に入り「家」のテーマが全面展開して以降、
数回のグループ展・個展を経て、現時点の最新作と、
家の表現を探り始めた時期の過去作を絡めながら、
その表現内容の熟成の度がうかがわれる展覧会となります。


がたんごとんひるね
「がたんごとんひるね」 268×380mm
画用紙に水彩絵具、鉛筆、ペン、マーカー、シール、はんこ



私は主にアクリル絵具を使用した平面作品を中心に、少女・蛹・家など、
興味の対象である「から」(空・殻)を感じるモチーフを通して、
空虚さを孕んだ現代日本の情景を捉えようとしてきました。
今年に入ってからは、私たちが生きていく場所としての「家」
というテーマを通して、自身の生の実感と、家族や身の周りの
他者の死生観を受け入れる事について考え、我々の住む家や
これから在るべき家について考え、作品制作をしていました。
その中で「家」の持つ気配と向き合う機会が多くなり、
そうしているうちに、それがだんだんと生き物のように感じて、
家の中に住む人達の事ではなく、純粋に「から」として、
霊的な色気を持った「家」を絵で捉えたいと考えるようになりました。
今回の個展は、そうした視点から、家にまつわる作品を発表いたします。
個展のタイトルとビジュアルは、2011年に制作したドローイング作品
「がたんごとんひるね」から。3.11の震災後、多くの人たちが家を
失った様子をみて、何もないところから家の気配を探ろうとした
結果生まれた作品でした。
「家」が失われた時に、何を取り戻したいと思うのか…。
私はときどき、家そのものを友達のようだと思うことがあります。
家族を失ったり、また新しい家族ができたり、それにより家の
気配も変化していく。寂しさとホッとするような瞬間の繰り返しの中、
普段はあまり注目されていないであろう、家の持つ細やかな気配について、
作品によって問いかけます。(大槻香奈)

 
1984年生まれ。東京と京都を拠点に活動する美術作家。
2007 年 より活動をスタートし、国内外問わず様々な展覧会に参加。
現代日本を「蛹」的に捉え、そこで生まれゆくものと死に ゆくもの、
またそれらを内包する世界の姿を客観的視点で 描く事を試みている。
代表的シリーズであるアクリルで描かれた少女のポート レートを
はじめ、抽象的表現、立体、イラストレーション など、年々表現の
幅を広げている。


●会期
2017年12月12日(火) ~12月27日(水) 
12:00~19:00
休廊日: 日・月 

レセプションパーティー:12月12日(火) 19:00~


●会場
兵庫県伊丹市中央6丁目1‐33  中本ビル2F
(阪急伊丹駅より徒歩約6分・JR伊丹駅より徒歩約9分)
Tel:072-773-3910