石山哲也 個展『アイコン』@現代美術艸居


石山哲也
   「Pharaoh」、2017、金、プラチナ、陶、H62 x W42 xD39 cm


 石山はこれまで、信楽 を拠点に、中国の景徳鎮、台湾、香港、
インドなどで、象嵌、金銀彩、ガラスを水面に 見立てた
水面晶シリーズなど、高い陶芸技術を駆使したユニークな
作品を制作、発表し てきました。
幼少期より古美術品に並々ならぬ情熱を持ち、ついには自ら
発掘調査にも携わったこ ともある石山は、骨董・古美術品と
向かい合う中で、鑑賞者と対象との間に決して埋ま らない
距離があり、どれだけ好きで勉強しても、その距離は永遠に
縮まらないことに気 がつきました。
物に込められた制作者の育った環境、諸条件、宗教観、哲学の
多くは鑑 賞者側では消失して、ただの美術品になってしまい、
また鑑賞者の視点の数だけ様々な 表情に変化するものになってしまう、と。
本展で展示される立体作品の多くは、一見して誰もが博物館などで
一度は眼にしたこ とのある歴史的立体作品の形状をモチーフに
しているように見えます。
ただ、そのどれ もが摩滅したような輪郭で、金彩された凹凸のある
表面に覆われて、デフォルメされ、 本来の細部は消失しています。
それにも関わらず、その形状は記憶に働きかけ、慣れ親 しんだ
アイコンのイメージをぼんやりと喚起します。
「何故か古いものに魅せられて、狂ったように追い求めてきた」と
語る石山が本展に て作品を通じて探求するのは、その曖昧で不確かな
「アイコン」のアウトラインです。 弊廊では初の個展になります。


石山 哲也
1973 年埼玉県生まれ。
2011 年台南藝術大学(台湾)にて、2012 年 PWS (中国、景徳鎮)、
2013 年 Uttarayan Art Center(インド)にて制作。
現在鶯歌陶瓷 博物館、デンバー美術館、他収蔵。



●会期
2018年1月12日(金)〜 1月27日(土)
10:00~18:00


●会場
現代美術艸居
京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町381-2
Tel: 075-746-4456