アート・デザイン用語辞典【ア〜】


アルファチャンネル
アルファチャンネルとは、画像処理分野において、各ピクセルに対し色表現のデータとは別にもたせた透明度のチャンネルのこと。グレースケールの濃度で透明度を表現する。


アンブッシュマーケティング
アンブッシュマーケティングとは、イベント等のオフィシャル・スポンサーではない企業が、あたかもオフィシャル・スポンサーであるかのような印象を消費者に与えるために行うマーケティング手法。待ち伏せ広告。イベント会場等の近隣へのOOHなどが代表的。


アンティミスム
アンティミスムとは、親愛とか親密とかを意味するフランス語の形容詞アンティーム(intime)から派生した語。特別の主義や流派をさす言葉でなく、身近のありふれた生活や家庭内の情景、母子像などに取材し、親しみやすい感情の込められた絵をアンティミスムと呼び、そうした傾向の画家をアンティミストという。初期フランドル派の絵画にも見出せるが、ナビ派に属していたボナールやヴュイヤールが代表的である。

 
アンデパンダン展
アンデパンダン展とは、1884年の春、スーラ、シニャック、ルドン、ギヨーマンなどを含むフランスの反アカデミズムの画家やサロン落選画家たちが独立芸術家集団を組織、同年夏に改組し独立芸術家協会(Societes des Artistes Independants)を結成し、年末に第1回展を開催。その目的は、所定の会費を払えば誰でも出品できる鑑査機構なしの展覧会を組織することにあった。アンリ・ルソー、ゴッホ、ロートレック、セザンヌ、マティス等もしばしば出品するなど、印象派より若い世代の画家の多くがこの展覧会と関連し、20世紀の初めまで重要な美術動向の舞台となった。我が国においても、第2次大戦前に童心芸術社と二科展主催のものがあったが、1946年に日本美術会が設立され、民主的立場に立った日本アンデパンダン展を開催。これとは別に1949年、読売新聞社主催で同名の展覧会が開始され、しばらくは並例して進んだが読売アンデパンダンと改め、63年ダダ化が進むなかで中止に至る。


アンフォルメル
アンフォルメルとは、もとは「非定形なもの」という意味。美術の世界では、アンフォルメル絵画、アンフォルメル芸術というように用いられ、定着している。第二次世界大戦後、約10年間、世の中では抽象絵画の運動がさかんになった。この抽象への指向が、アメリカでは抽象表現主義とよばれ、フランスを中心とするヨーロッパにおいてはアンフォルメルとよばれたのである。アンフォルメルという言葉は、フランスの批評家ミシェル・タピエによって1950年に名付けられ、1952年には「アンフォルメルの意味するもの」と題する展覧会がもたれた。この運動の中心となった作家は、ヴォルス、デュビュッフェ、マチュー、リオベル、ミショーらで、彼らはこれまでの美学を棄て「もう一つの芸術」を創ろうとした。つまりこれまでの抽象が与えてきた構成的、幾何学的なイメージを脱却し、理性では把えられない意識下の心の状態から生み出されるものを表現しようとした。それらは抒情的で非幾何学的であるがゆえに、アンフォルメルとよばれた。日本にも後日紹介されて、前衛芸術に多大な影響を与えた。


アール・ヌーヴォー
アール・ヌーヴォー(フランス語: Art Nouveau)とは、「新しい芸術」という意味。 モダンスタイル(MODERN STYLE、英)、ユーゲントシュティール(JUGENDSTIL、独) ともよばれる。 19世紀末から20世紀の初頭にかけて、フランス、ベルギーを中心としてヨーロッパで流行した芸術様式のことで、 自分たちの時代に相応しいものを求める人々によって推し進められた。 極めて装飾的な造形上の特徴をもち、それは時に、華美、装飾過剰とも思われかねない。 花や葉などの植物を主題としたような曲線を好み、その有機的、生命的な表現は、 絵画、デザイン、工芸、建築をはじめとして広い範囲に及んだ。 デザインの分野では、ポスターが流行して、ミュシャは時代の子となり、 家具調度品の工芸の分野では、ガレがガラス工芸などによって名を馳せ、 建築の分野では、オルタやギマール、ガウディといった人々の活躍がみられた。


アール・デコ
アール・デコ(仏:Art Déco)とは、一般にアール・ヌーヴォーの時代に続き、 ヨーロッパおよびアメリカ(ニューヨーク)を中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行、 発展した装飾の一傾向。原義は装飾美術。 幾何学図形をモチーフにした記号的表現や、原色による対比表現などの 特徴を持つが、その装飾の度合いや様式は多様である。 アール・デコは1925年に開催されたパリ万国装飾美術博覧会で花開いた。 博覧会の正式名称は「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」 (Exposition Internationale des Arts Decoratifs et Industriels modernes)、略称を アール・デコ博といい、この略称にちなんで一般に「アール・デコ」と呼ばれるようになった。 また「1925年様式」と呼ばれることもある。 画像は、アール・デコ建築の代表作品でもある、クライスラービル。


RFM分析
RFM分析顧客を識別するために用いられる分析手法。通信販売にてよく用いられる。RFMとは最終購入日からの経過時間(Recency)、一定期間内の購買頻度(Fre-quency)、購入金額(Monetary value)のことであり、RFM分析ではこれらを組み合わせることのよって顧客の重要性を判別する。


ROP
ROPとは新聞用カラー印刷方式の一種。カラー部分と墨(黒色)刷りを同一紙面に同時に印刷する方式で、プレプリント方式(カラー部分をあらかじめ印刷したものを巻き戻しておき、これに墨刷りを加える)と区別される。凸版やオフセット(平版)といった版、また2色、3色といった色数には関係ない。

 
アートディレクター
アートディレクターとは、広告・宣伝・グラフィックデザイン・装丁などにおいて主に視覚的表現手段を計画し、総括・監督する職務。デザイナー/イラストレーター/フォトグラファー/スタイリスト/デジタルオペレーターや製版/印刷関係者などを指揮し、広告を完成させる。文章部分を担当するコピーディレクターやCMプランナーとの整合、調整力も必要となる。


アーツ・アンド・クラフツ運動
アーツ・アンド・クラフツ運動とは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、イギリスに起った工芸革新運動。機械生産による製品の質の低下にともなっておこった手工芸品尊重の風潮などを背景とし、ラスキンの強い影響のもとに、ウィリアム・モリスを主導者としてアシュビー、クレインなどの作家によって推進された。この運動は無名の職人の手になる中世の手工芸に芸術本来のあり方を求め、機械による量産を否定して手仕事の尊重を強調したが、産業革命による機械・技術の進歩に伴う諸成果と全面的に対立する結果となり、人々の幅広い共感を得るには至らなかった。しかし、家具、什器、壁紙、装幀、插絵、字体など、デザイン装飾芸術の領域で多くの革新を示し、アール・ヌーボーに大きな影響を与えた。


アースワークス
アースワークスとは、ランド・アートともいう。1960年代の後半、アメリカおよびイギリスに興った動向。砂漠、山岳、海辺、雪原など広大な土地を堀り、線を刻んだりしたのちそれを写真に収めて作品とする。あるいは土など自然物が直接画廊に持込まれることもある。ミニマル・アートの影響から「もの」としての芸術を否定しようという気運と反文明的な文化現象とが合体して生れたもので、ロマンチックな表現をとっている。1968年にニューヨークのドワン画廊、69年にコーネル大学でその種の芸術がまとめて発表され、概念芸術の隣接形態として認識された。代表的な作家として、アメリカのカール・アンドレ、ロバート・スミッスン、ウォルター・マリア、ロバート・モリス、マイケル・ハイザー、イギリスのリチャード・ロングなどがいる。


アブストラクション・クレアション
アブストラクション・クレアションとは、フランス語で「抽象・創造」を意味する美術グループ。1930年にパリで最初の国際抽象美術展が開かれたのをうけて、翌1931年2月、抽象ないし非具象の画家、彫刻家たちによってパリで結成された。このグループの狙いは非具象の一般に幾何学的といわれる要素から構成された抽象、「創造的抽象」を鼓舞することにあり、グループ展を組織するほか、機関誌『Abstraction−Creation, Art non−figuratif(抽象=創造、非具象芸術)』を刊行した。このグループはあらゆる国の芸術家に門戸を開き、緩やかな組織だったため一時は400人の会員を擁した。アントワーヌ・ペヴスナー、ガボ、カンディンスキー、モンドリアン、ドローネ夫妻、モホリ=ナギ、ベン・ニコルソン、ブランクーシ、岡本太郎などが参加。厳密な非具象の追求においても、国際的な拡がりにおいても重要な意味をもつ運動だったが、第二次世界大戦のため自然解散した。


アドバティメント
アドバティメントとは、advertisement(広告)とentertainment(エンタテインメント)との造語で、広告商品を用いてインターネット上で提供されるショートムービーやゲームなどのこと。


アドボカシー広告
アドボカシー広告とは、ある業界や企業にかかわる公共的な問題や批判に対し、反論や自己弁護などの主張を目的として行われる広告。弁護広告や擁護広告ともいう。


アベレージタイムパービジット
アベレージタイムパービジットとは、特定のサイトにアクセスした際に、インターネット・ユーザーがとった行動(ビジット、セッション)の平均時間。サイトの魅力度を考える指標の1つ。


アイデアスケッチ
アイデアスケッチとは、印刷原稿作成などにおいて初期の構想段階で、簡単に描いたスケッチ。サムネイル。絵としてのクオリティよりも多くのアイデアを簡易に視覚化して検討することが重要なので、主に手書きで描かれることが多い。


アイドマの法則
アイドマの法則とは、消費行動における仮説であり、消費者の心理に焦点を絞ったプロセスモデルである。1. Attention (注意) 2. Interest (関心) 3. Desire (欲求) 4. Memory (記憶) 5. Action (行動)、5語の頭文字よりAIDMA。このうち、Attentionを「認知段階」、Interest、Desire、Memoryを「感情段階」、Actionを「行動段階」と区別する。


IR
IRとは企業が株主や投資家に対して、投資判断に必要な情報をタイムリーに開示していく活動のことである。IRまたはIR情報と呼ばれることが多い。大企業では、ホームページのサイト内で、会社概要や決算公告に取って代わる過去5年の財務諸表などのIR情報を開示している。IR情報を広告の形で提供したものをIR広告という。


IMC
IMCとは、広告、PR、SPなど種々の手段を1つの複合体としてとらえ、消費者視点でコミュニケーションの全体を再構築するという活動。統合型マーケティング・コミュニケーション。


アイキャッチャー
アイキャッチャーとは、広告の注目度を高める視覚的要素のこと。インパクトや独自性・新鮮さがじゅうようである。


ICタグ
ICタグとは、小型の情報チップのひとつ。RFID(Radio frequency identificationの略)の一種である。電波によって微量な電力が回路内に発生し、その電力で情報を処理し、リーダーに送信する。大抵の場合、使用できる電波出力の関係などから、ICタグとICタグリーダーを近づける必要はあるが、必ずしも接触する必要はない。


アウトオブホームメディア
アウトオブホームメディアとは、家庭の外で接触する媒体。屋外広告や交通広告、イベントや街頭サンプリング、位置情報を使って発信される携帯電話向け広告などもアウト・オブ・ホームと考えることができる。外出中の消費者と直接接することができるので、そのまま購買行動をとらせることも可能と考えられる。


アウトサイダーアート
アウトサイダーアートとは、いわゆる美術教育を受けずに独学で制作を始めた人々の作品について、欧米では一般的に「アウトサイダーアート」という言葉が用いられています。この言葉には美術の主流で扱う範囲では収まりきれないくらい奔放で自由なもの、という積極的な意味が込められているのです。しかし、「アウトサイダーアート」という言葉が、この分野の作品を指す唯一のものではありません。今回の「アートインパラダイス」展の主な出品作品を所蔵しているコレクターは、自らのコレクションを「アントレインド(訓練を受けていない)アート」とも呼んでいますが、これは一般的ではありません。また、アメリカで作られたこの分野専門の美術館は「ビジョナリー(空想的・夢想的)アートミュージアム」という名称ですし、「セルフトート(独学・独習)」という言葉もあります。また、古くは画家ジャン・デュビュッフェが障害を持つ人々や監獄に閉じこめられた人々の作品の中から、自らが選んだものを「アールブリュット(生の芸術)」と呼んでいます。さらに、最近日本で生まれた言葉では障害を持つ人々の作品を「エイブルアート(可能性の芸術)」と言いますし、民間伝承的な意味の「フォークアート」という言葉もあります。これらの言葉は意味的に重なる部分もありますが、全く同じ意味ではありません。しかし、それぞれの言葉がこの分野の作品を積極的に評価していこうという意志に支えられていることには変わりないのです。


青焼き
青焼きとは、印刷の製版フィルムから、直接青写真の印画紙に焼き付けた簡易校正紙。オフセット印刷やグラビア印刷の校正に利用される。主として誤字、脱字、レイアウトのチェックをするときに使う。簡易校正機(カラー)のスピードアップにより、徐々に使用頻度は減っている。


青騎士
青騎士とは、1911年ドイツで革新的な目的を持つ芸術家たちがつくった緩やかな組織のグループにつけられた名称。グループの起こりは、1911年、カンディンスキーが、「新芸術家協会」の第3回展に出品を拒否されたことから、フランツ・マルクらと、ミュンヘンのタンホイザー画廊で対抗展を組織し、参加したグループを彼の小作品「青い騎士」にちなんで「青騎士(ブラウエ・ライター)」と命名した。参加者にはマッケ、クレーなどがいた。第2回展は1912年にミュンヘンで、版画を中心に開かれたがこれにはブリュッケのメンバーも参加し、また国際美術展の先駆ともいうべき性格のものであった。1914年の第一次大戦の勃発による解散した。グループには統合するような様式、教義はみられないが、内面的意欲が多様に形づくる形態の差異を示すことが共通の精神的基盤といえる。また、グループは同名の機関紙を発行したが、ここではヨーロッパの前衛芸術家の作品の他に、民芸品や児童画などの作品も評価し、現代的芸術観の礎石となった。

 
アカデミー
アカデミーとは、芸術家、文筆家、学者などの専門家の組織集団。多くの場合教育的機能をもち、転じて絵画、彫刻などの技法を教える画塾、研究所をも意味する。さらにフランス語では裸体習作、モデルの意味がある。その名は古代ギリシャにおいて、プラトーンがアテーナイの郊外に開いた学園アカデーメイアに由来する。ルネッサンス期に人文主義者や芸術家たちの集りにこの名称が用いられたが、正式な組織としては16世紀になってパッチオ・バンディネルリがローマに設けたアカデーミアが最も古く、次第に従来のギルドに替わる性格を帯び、1563年フィレンツェにヴァザーリにより〈アカデーミア・ディ・ディセーニョ〉が創設され、その後ボローニャ、ローマに多くのアカデミーが設けられた。フランスでは1664年王立絵画彫刻アカデミーが創られ、美術学校と公式の展覧会を支配するようになり、この例にならって各国に18世紀のアカデミーが生まれた。しかし19世紀中葉以降、その伝統を墨守する保守的傾向が「アカデミズム」として否定されるようになり、美術の主要な流れからは遠い存在となっていった。


アカウントプランナー
アカウントプランナーとは、広告の表現制作と調査の両方に通じるプランナー。ストラテジック・プランナーとも呼ばれる。クリエーティブの知識、マーケティング等にも精通している。
アカウントエグゼクティブ アカウントエグゼクティブとは、いわゆる営業マン、AEとも呼ばれる。ある広告主(アカウント)と広告取引を行う広告会社の営業担当責任者。広告会社の内部をまとめ、広告主の広告活動を計画し実行する。広告会社の提案に対する広告主の意向を、媒体部門やクリエーティブ部門などに的確に伝え、プランニングや広告活動が円滑に行われるよう管理する。広告制作活動に置いて中核となる極めて重要なポジション。


アカウントスーパーバイザー
アカウントスーパーバイザーとは、広告会社でアカウント・エグゼクティブ(AE)を管理する立場で、部下のAEが担当しているクライアントのマネジメントに対して責任を持つ役職。


アクリル樹脂
アクリル樹脂とは透明度が高く、板加工、真空成形に使用されている。硬く、風防ガラスや照明器具にも用いられる。メタクリル酸エステル系モノマーの重合体からつくられる熱可塑性樹脂で、加工も容易である。


アクアチント
アクアチントとは、版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは後者の内の一つ。まず銅板に粉末状のグラウンド(防蝕剤)を粗くまき熱して付着させ、その上に液状のグラウンドで描画する。これを酸腐蝕させると、描画部は残り、その背景には網目状の防蝕層を通過した酸によって徴細な点が刻まれる。グラウンドを除去し凹部にインキをつめプレス機で紙に刷り上げると、描画部は白く、背景には砂目状の徴妙な黒点が表われる。普通白く残したい部分から順に描画を重ね腐蝕を繰り返すので、描かれなかった部分はその度に腐蝕が進み、それを印刷すれば、砂目状の黒い調子が段階的に深まっていくことになる。アクアチントの語源は「水」であり、水彩画のように微妙な濃淡を表現できるという特徴を示している。17世紀前半にオランダで発明されたとされており、18世紀にフランス人ル・プランスによって確立された。同じ腐蝕凹版であるエッチングと併用されることも多い。


アクションペインティング
アクションペインティングとは、おもにニューヨークを中心に、第二次世界大戦後に起った抽象絵画の傾向。アメリカの批評家、ハロルド・ローゼンバーグの著作「アメリカのアクションペインターたち」にちなんだ呼称。1950年代の抽象表現主義の画家たちの総称として用いられるが、ドリッピングの技法を採用した1947年以降のポロックを念頭においたものだった。ローゼンバーグが“自己超越”と定義したように、完成品としての絵だけでなく、それをつくり出した過程、すなわちそれを描いていた時の芸術家の行為自体に重要性を与えることによって、ヨーロッパ風の自己表現の秩序と調和のある小宇宙を超えようとする。ポロック、デクーニングなどが代表的な作家とみなされる。


アジャックス
アジャックスとは、HTMLを動的に変化させる技術のひとつ。 既存技術(JavaScriptとXML)を組み合わせたもので、Webブラウザのみで動作する。広く普及している。


ASA
アサとは、米国規格協会が定めた、感光材料の感光度の規格。ASA感度。現在はISOが主流。


アサンブラージュ
アサンブラージュとは、英語では、アッセンブリッジとよばれる。語義は「物の集まり」で、一つの美術作品をつくるにあたって、様々なものを寄せ集めてくることから名付けられた。1950年代にコラージュを基にして、デュビュッフェがリトグラフに試みてから、1960年代にピエール・レスタニーが提唱したヌーヴォー・レアリスムの大きな流れの中で、アサンブラージュは一般にも、よく知られるようになった。1961年には「アサンブラージュ展」がニューヨークで開かれている。社会のあらゆる場面でつくり出されたものを集合させ、当時の社会への語りかけを、マチエールの提示によって成し遂げている。アルマンは、工場で大量に生産される製品をガラスケースに押し込んだし、セザールは工場の廃品を寄せ集めて、それらを圧縮して作品を生み出した。