アート・デザイン用語辞典【ニ〜】


ニュー・ペインティング
ニュー・ペインティングとは、1980年代に入って、世界的な模模で、各国に「新しい絵画」を求める傾向が強まった。ドイツ、イタリア、アメリカなどで、時を同じくして求められ、著しく台頭したこの新しい年代の絵が、ニューペインティングとよばれるものであり、時に「新表現主義」という名称でよばれることもある。それは、1970年代の、ひたすら観念的、禁欲的であろうとした美術の傾向とまったく対立するものであった。例えば、巨大なキャンヴァスに激しい筆づかい、大胆な色づかいで描かれる絵の主題は、俗世間と密接に関わるものであり、現代社会で生きてゆくうえで生まれた危機意識や猜疑心をその根底に持っている。それは、膨大な情報の渦中にある人にとってそれまでの絵画が、あまりにも「俗」を避けすぎたもので、その意義を積極的に肯定しづらくなったところから生まれたのである。


ニューブリティッシュスカルプチュア
ニューブリティッシュスカルプチュアとは、ニュー・ペインティングが欧米を席巻した1980年前後のイギリス美術を特徴づける一群の若い彫刻家たちの出現と活躍を称する。作家としては、トニー・クラッグ、ビル・ウッドロー、リチャード・ディーコン、アニッシュ・カプーア、アントニー・ゴームリー、シラゼ・フーシアリー、リチャード・ウェントワース、エドワード・アーリントン、、アリソン・ワイルディングなどがいる。これらの作家に様式、素材、主題、技法上の共通性を見いだすことはきわめて難しい。しかし、先行する反フォーマリズムの運動から様々な問題意識や発想を引き継ぎながらも、自立した彫刻を可能にさせる造形言語を再構築し美術と社会をつなぐというポスト・モダニズムの課題を背負うという点で共通している。その解答は各作家によって様々であるが、文学的なテキスト、宗教や神話、科学的な世界観など様々な文脈にふれ、そして見る人に豊かな連想や思惟を呼び起こさせる。絵解きではなく隠喩あるいは換喩として、見る人、場所、時間の違いによって無限の意味の差異を生み出すし、ここから同時にA のようでありBのようでもあるが決定的に何かとはならないという特質が生まれる。様々な意味を暗示しながらも同時に距離を保つニュー・ブリティッシュ・スカルプチュアは、合理と非合理、科学と芸術、精神性と官能性、抽象と具象などを相容れないものとして固定化して考える近代的なドグマを覆し、より自由でフレキシブルな世界を示している。


膠(にかわ)
膠とは、動物の皮革や骨髄から採られる強力な糊。主成分は、コラーゲンという蛋白質の一種。 本来、接着剤としての用途が中心だが、絵具や絵画下地のバインダー、また、膠をさらに純粋に生成した「ゼラチン」は食用や写真用にも使用される。 一般的に、絵画用に使用される膠は、骨よりも皮から採ったものの方が耐水性があり、純粋に生成されたゼラチンよりも、多少不純物を含む手作りの膠の方が柔軟性に富んでいて適している。 日本画では、「鹿膠」や「三千本」といった独特のものが使われ、洋画技法では「ウサギ膠」が代表的。絵画用として使用される主なものは、鹿膠、三千本、ウサギ膠、パール膠、粉末膠、魚膠など。洋画材料には、ウサギ膠、パール膠、高級粉末膠、粉末膠と4種類の膠製品がある。