アート・デザイン用語辞典【マ〜】


円山四条派
円山四条派とは、江戸中期、円山応挙によって始められた写実的な絵画の流派円山派と、その流れをくむ応挙門下の呉春の開いた四条派を併称したもの。円山派は、18世紀の中頃、京都の新興町人層の現実的な感性を基盤に、写実性と伝統的な装飾性を融和させた新しい様式で、上方画壇に大きな影響を与え、明治画壇にまで及んでいる。用筆上の特徴としては従来の没骨技法に墨の濃淡表現を加えた付立(つけたて)法とよばれる筆法が用いられている。応挙の門下には、呉春、長沢蘆雪、森徹山、渡辺南岳、源?g、山口素絢、奥文鳴、月僊などがいる。四条派は、江戸後期に呉春によって始められた一派である。円山派の平明で写実的な作風に俳諧的な洒脱みを加えた新様式で、応挙歿後の京都画壇で流行した。呉春をはじめ門下の多くが京都四条近くに住んでいたため、その一派を四条派と呼ぶ。呉春門下には、松村景文や岡本豊彦、柴田義董がいる。岡本豊彦は、四条派に再び南画様式をとり入れたが、その画系には塩川文麟、幸野楳嶺、竹内栖鳳らが相次ぎ、明治の京都画壇に大きな影響を与えた。


マージン
マージンとは、ページやマットの周囲にある空白部分のこと、あるいは、段組した際の段間の余白 のこと。

 
マット
マットとは、紙を基材とする絵や版画、写真等のための額装では、厚紙で出来たボードに窓を開け主題の周囲を取り囲む余白を施すことが多くある。これらの厚紙部分をマット、あるいはパス・パルトゥー(ヨーロッパ名称)と言い、額装されるものを保護、保存すると同時に視線を導く効果や装飾という額装にとって欠かせない大切な機能がある。油彩画と違い紙を基材としたアートピースは表面がデリケートなので、ガラスを入れた額縁に納め、外部からの直接的なダメージを防ぎ保護する必要がある。その際、ガラスとアートピースとが密着しないように、それらの間にスペースをとる役割もマットには求められる。


マッス
マッスとは、塊(かたまり)のこと。彫刻においては、表現されたもの、特定の描写的意味を離れて把握される物体のある一定の量を持ったかたまりをいう。彫刻では素材そのものがすでにマッスであるが、そこから一定の意味を持った統一されたものとしてのマッスの連関を形成するところに、彫刻におけるひとつの芸術的課題があり、彫刻作品の重要な構成・成立要素のひとつである。絵画においては、画面の中の相当量の色や光や影などのまとまりを意味する。近代においては、森とか海とかの描写を細部にとらわれずに、大きなマッスとして捉える傾向が強い。建築においては、空間を占める量塊の大きさ、および内部空間を規定する充実体のことをいう。


マティエール
マティエールとは、材料、材質、素材を意味する語で、作品自体の表面の平滑さとかごつごつした感じなど素材の選択、用法によって創り出した肌合い、あるいは、絵画作品の場合には絵肌を意味する場合もある。テクスチャー(TEXTURE、材質感)と混合されて用いられるが、テクスチャーは、その物質が備えている表面的な肌の感覚を示すもので、マティエールでは、技術的に創り出されたという面が強調されている。例えば、油彩画の作品において布の感じがよく表現されている場合、油彩というマティエールによって布のテクスチャーがよく表わされているというように用いられる。


マニエリスム
マニエリスムとは、盛期ルネサンスに完成された古典主義芸術のあとを受けて、ほぼ1520年頃から17世紀初頭にかけて、主として絵画を中心に、ヨーロッパ全体を風靡した芸術様式。20世紀初頭になってから独立した様式として認められ、16世紀中葉から後半を支配した芸術様式として重要視されている。その表現は、極度に洗練された技巧、曲線を多用した複雑な構成、歪んだ遠近法を用いた構図、明暗のコントラストや入り組んだ奥行表現による効果、異常なプロポーションや色づかいなどを特色としている。これらは、ラファエロやミケランジェロの完成された力強い表現に対する傾倒、デューラーなどによる北方ゴシックの影響、混乱時代の社会不安、芸術愛好家君主の積極的な保護などを背景として生まれたといえる。その本質については、ルネサンスからバロックへの過渡期の様式、反古典主義様式、16世紀のヨーロッパ全体の精神的危機を反映した様式、ルネサンス文化の継続的発展、人間の持つ非合理なものへの衝動など様々な見方がある。


マケット
マケットとは、西洋美術の用語で、おおむね模型にあたるものを指す。彫刻製作においては、最初の構想を示すために、予備的なスケッチ程度のものとして試作される蝋や粘土でつくられる小型の模型、雛型をさす。イタリア語のボッツェットとほとんど同義であるが、ボッツェットはかなり細部まで入念に仕上げられた雛型をさす。機械や構築物においては、それらの正確な縮尺による模型のことをいう。ただし、機能性を具備したいわゆるモデル(模型)とはちがって、外観のみを忠実に作り出したものをいう。タピスリーにおいては、その図柄を織り出すための原画のことをいう。図柄、タッチ(筆触)、色彩など作家の構想の全貌を精密に描いてあり、これを原寸大に拡大してカルトンを作り、械(はた)にかける。


マスカルチャー
マスカルチャーとは、大衆文化。マスコミ文化。