アート・デザイン用語辞典【レ〜】


レリーフ
レリーフとは、浮彫り(うきぼり)。平面を彫り込み、あるいは、平面上に形を盛り上げて肉付けした彫刻。彫り出された部分の肉の厚い高肉彫(厚肉彫、高浮彫)と、肉の薄い薄肉彫(浅肉彫、浅浮彫)がある。これらはともに陽刻(モティーフが彫囲より浮き上がらせて表わす技法)であるが、古代エジプトの沈め浮彫りや、肉合彫り(ししあいぼり)、インタリオなど陰刻(モティーフを地の面より彫りくぼめて表現する方法)によって、平面に起伏を与える技法もあり、また彩色される場合も多い。三次元の典型的な彫刻様式である丸彫り(対象を完全に三次元で構成し、全方向から見ることのできる立体表現)に比べて、絵画に接近した二次元的な彫刻といえる。特に薄肉彫においては、薄肉のうちに物体の厚みと奥行の深さを暗示するという独特の技術が必要とされる。浮彫りから派生し、類推して、平面上に凹凸、起伏を与えた造形表現全搬を指してレリーフということもある。また、絵画において物の厚みや奥行きを立体的に表現することをいう。


レンタルギャラリー
レンタルギャラリーとは、貸画廊とも呼ばれていて、出展する側から場所代をもらい場所を貸すシステムになっている。ほとんどの場合、場所代だけでいい画廊が多いが、中には作品売り上げの何%かも支払わなければならない画廊もある。


レプリカ
レプリカとは、原作品の写しの作品のこと。広い意味ではコピーや複製と同義に用いられる場合もあるが、基本的には原作者あるいは少なくとも同一の工房の手によって制作された、原作品(オリジナル)の写しのことをいう。コピー(模写、模刻、模造)の一種。原作品と写しとの関係は、ここでは模写の場合のように厳密ではなく、作家自身の手控えとみなした方がよい場合もある。また、博物館等で原作品の展示が保存上の理由等から困難な場合に、厳密で忠実な模造品を製作して展示を行うことがあるが、それらの作品もレプリカと称されている。


レディメイド
レディメイドとは、「既成品」の意味。近代美術では、オブジェのジャンルのひとつに相当するもので、実用のために作られた既成品に、その最初の目的を離れて別個な意味を持たせたもの。マルセル・デュシャンが、1917年に便器そのものを「泉」と題して作品として提示したのをはじめ、びん掛け、自転車の車輪、シャベルなどを芸術作品として提出したのに端を発している。量産された機械文明の製品をそのまま提示するという点で、そこには一点制作の手仕事であった芸術への批判が込められていると同時に、物体に対する新しい認識への方向性が示されている。デュシャンは、これらを「芸術の非人間化」「物体に対する新しい思考」と呼んでいる。自然物や未開人のオブジェとは異なり、かなり社会性が高いものである。これらは、戦後のジャンク・アート(廃物芸術)やアッサンブラージュ(寄せ集め芸術)、またポップ・アートなどへ大きな影響を与えている。

レディメイドとは



レゾネ
レゾネとは、カタログ・レゾネ(Catalogue raisonné)、または総作品目録とは、特定の美術家、または美術館について全作品を記載した文書のこと。
レゾネ(仏:wikt:raisonné)とは「論理にかなった」という意味の語で、カタログ・レゾネとは、もともとは美術品の真贋根拠の文書として用いられてきた用語。
現在は「全集」としての意味合いが強く、内容には作品図版、タイトル、制作年、素材・技法、寸法、署名の有無、研究者による解題、作品記述、さらに所蔵歴(来歴)、展覧会歴、文献歴などの詳細データを収めたものを指す。