川人綾 個展@イムラアートギャラリー
垂直と水平の色彩が織りなされ、織物のような質感を持った
川人綾のグリッド(格子)の絵画作品。これらの作品は、
マスキングテープとアクリル絵具を用いて幾重にも線を描き
重ねるという、手作業の緻密さとダイナミックさをともに
要する身体的実践のもと制作されています。
川人綾のグリッド(格子)の絵画作品。これらの作品は、
マスキングテープとアクリル絵具を用いて幾重にも線を描き
重ねるという、手作業の緻密さとダイナミックさをともに
要する身体的実践のもと制作されています。
「グリッド」の表現は20世紀以降に発展し、近代芸術における
重要な潮流のひとつとなりました。絵画内の一細部として描く
のではなく、グリッドそのものを現前させる近代的な表現は、
モンドリアンをはじめ、アメリカの抽象表現主義の画家たちや、
建築の文脈においても実践されてきました。
重要な潮流のひとつとなりました。絵画内の一細部として描く
のではなく、グリッドそのものを現前させる近代的な表現は、
モンドリアンをはじめ、アメリカの抽象表現主義の画家たちや、
建築の文脈においても実践されてきました。
川人は、このグリッドという、平面として統御され、幾何学化
された表現に、染織という工芸の文脈を取り入れました。
手作業によってグリッドを描き重ねることで、「制御とズレ」
というふたつの効果の創出を企図しています。
無心の作業を重ねていく果てにふと生まれてくる、作家の意図を
超えた「ズレ」に宿る美的効果は、ちょうど写真に不意に
写り込んだ意図せぬ細部と同じような機微と発見をもたらします。
グリッド内部で移り変わる色彩と光の効果からは、絵画の
新たな可能性さえも感じさせます。
された表現に、染織という工芸の文脈を取り入れました。
手作業によってグリッドを描き重ねることで、「制御とズレ」
というふたつの効果の創出を企図しています。
無心の作業を重ねていく果てにふと生まれてくる、作家の意図を
超えた「ズレ」に宿る美的効果は、ちょうど写真に不意に
写り込んだ意図せぬ細部と同じような機微と発見をもたらします。
グリッド内部で移り変わる色彩と光の効果からは、絵画の
新たな可能性さえも感じさせます。
最新の神経科学への関心を核に持ち、「私達が見ているものと、
実際の対象は異なる」という知覚と認知のズレを問題意識に
据えた川人綾は、近代絵画以降のグリッドをめぐる美術史の
延長において、染織を学んだというバックグラウンドを強みに、
着実に自身の表現を確立しはじめています。
実際の対象は異なる」という知覚と認知のズレを問題意識に
据えた川人綾は、近代絵画以降のグリッドをめぐる美術史の
延長において、染織を学んだというバックグラウンドを強みに、
着実に自身の表現を確立しはじめています。
●会期
2018年6月15日(金)〜7月13日(金)
2018年6月15日(金)〜7月13日(金)
オープニングレセプション
日時:6月15日(金) 15:00~18:00
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