寺島みどり+岸本吉弘 展『Garden of The Phase 位相の庭』@ギャラリーあしやシューレ

寺島みどりは 1972 年京都府生まれ、1998 年に京都市立芸術大学大学院を修了。
2003 年ごろから記憶や風景をも とに身体感覚に揺さぶりをかけるエネルギッシュな
抽象絵画を描いてきました。鮮やかな色彩と速いストローク で描き出す情景や、
薄い皮膜の内にある光を湛える絵画まで、バリエーション豊かな作品を制作しています。
岸本吉弘は 1968 年神戸市生まれ、武蔵野美術大学大学院を修了後、1995 年以降は
油絵具に蜜蝋を混ぜるエンコ ースティックの技法を使った作品を制作しています。
作品はイメージを対象とするテーマを持つのでなく、様式 が先行する表現主義的な
抽象絵画で、水平や垂直方向のストライプと地の領域が拮抗しあう平面で構成されてい ます。
しかしながら、多様な線と面によって構成された空間には、風景や情景などの要素が介入し、
それらを実 在として捉える試みを続けています。 両者に共通するアイディアの中には、
パラダイムとして用いる「自然」の要素に導かれるものが少なからず存在 します。
その「自然」とは、生命の根源をなす限りなく小さな領域から、広大な宇宙の無限の
広がりまで、多種 多様なものの共存でもあります。寺島作品による観念的空間と、
岸本作品の開放的な色彩の要素が互いに影響し あい、巨視的な視点から新たな世界が
再構築されることでしょう。


位相の庭


絶対は対者を拒否する。しかし対者の拒否が単なる否定にとどまる限り、それは限りなく対者を生みつづけるであろう。対者
の否定とは、対者を包みかつ超えるものでなくてはならぬ。
白川静「孔子伝」より

そしてわれわれ、昇る幸福に思いをはせる
ものたちは、ほとんど驚愕にちかい
感動をおぼえるであろう、
降りくだる幸福のあることを知るときに。
リルケ「ドゥイノの悲歌」より

寺島みどり


娘が絵を描き始めた。まだまだ描き殴りにも満たない状態ではあるが、であるがゆえにイメージ(再現)よりも描画行為その ものが優先される。「絵具というメディウム」と「色彩」とを本能的かつ自在に楽しんでいる姿にはいつも感心させられる。 メディウムと色彩、この両者の駆け引き(や相乗効果)は、絵画におけるフォーマルな概念にも密接する。娘が奔放に迷いな く描く姿には頭が下がり、願わくは私も娘のように描けないかと思う今日この頃である。
ところで、絵画とは「呪物」であらねばならない。それは見る人によっては不可思議な霊力のような存在であり、現実に「奇 跡」を起こす力をも持つ。こう言うと些か誤解を招くかも知れないが、敢えて絵画に役割を与えるとしたらそういうことだろ う。先ほどの娘の話に戻ると娘の絵はまさに私にとっては「呪物そのもの」なのである。しかし、私自身が描きたいのは霊的・ 精神的な存在などでは無く、むしろ実在の方が近い。 画面に立ち現れる垂直線(ストライプ)は、私にとって「生命そのものの実在」であってほしい。絵画はそれを支え関係づけ をする、云わばイメージのマトリックス(母体)であるのだから。

岸本吉弘



寺島みどり(てらしまみどり)

1972 京都府生まれ
1996 京都市立芸術大学美術学部美術学科油画専攻卒業 1998 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了 現在、大阪教育大学准教授
主な個展
1997 ギャラリー白(大阪)
2002 「Gusto Room」GUSTO HOUSE(兵庫)
「an installation」Gallery Den(大阪)
2003 Gallery Den(大阪)
PRINTZ(京都)
2004 O ギャラリーeyes(大阪)
2005 石田大成社 ICB カフェ(京都) O ギャラリーeyes(大阪)
2006 Gallery Den(大阪)
O ギャラリーeyes(大阪)
「旅人の胸」 neutron(京都)
       「旧作展」文椿ビルヂングギャラリー(京都)
2007 O ギャラリーeyes(大阪)
「jesus fever」deem(兵庫)
「私たちが見つけたもの」Gallery Den 58(大阪)
2008 STREET GALLERY(兵庫)
ギャラリー風(大阪)
「寺島みどり展」ART DAEGU(韓国/テグ市)<Gallery 風より個展形式出展>
2009 「見えていた風景 森」Gallery Den(大阪)
「見えていた風景 空」neutron-tokyo(東京) 「見えていた風景 コトバ」neutron-kyoto(京都) 「見えていた風景」奈義町現代美術館(岡山)
2010 「Lingering Landscape」 文椿ビルヂング・ギャラリー、ニュートロン・カフェスペース(京都) 「見えていた風景 —記憶の森—」京都芸術センター北ギャラリー (京都) (公募・京都芸術センター2010/審査員=河瀬直美) 「寺島みどり展」Art Fair Kyoto(京都)<neutron より個展形式出展> 「見えていた風景ー光ー」枚方市立御殿山生涯学習美術センター(大阪)
2011 「楽園の何処か」neutron-tokyo(東京)
「Dialogue of Colors」Art Space With Artist(韓国/パジュ市) 「Stranger in Paradise」Gallery Cha(韓国/ソウル市)
2012 With Artist Coffee (韓国/ソウル市) 「あなたと私のこの世界」neutron-tokyo(東京)
「A WHOLE NEW WORLD」(黄金町バザール 2012 参加作品)横浜市黄金町(神奈川)
2014 「ENDLESS」Galerie Ashiya Schule(兵庫)
2016 「elusive」Galerie Ashiya Schule(兵庫)
2018 「MIDORI TERASHIMA SOLO EXHIBITION」O’NEWWALL GALLERY (韓国・ソウル)
主なグループ展
1993 「京都市立芸術大学作品展」京都市美術館(京都)
1994 「京都市立芸術大学作品展」京都市美術館(京都)
1995 「京都市立芸術大学作品展」京都市美術館(京都)
「あさのみほ 寺島ミドリ 二人展」ギャラリーキャンプ(京都)
1996 「京都市立芸術大学作品展」京都市美術館(京都)
1997 「京都市立芸術大学作品展」京都市美術館(京都)
「第 2 回アート公募展」モリスギャラリー(東京)
「Contemporary Remix 万葉集 写真展」プレビュービル(大阪)
1998 「京都市立芸術大学作品展」京都市立芸術大学(京都)
2002 「やわらかなインスタレーション展」シティギャラリー(大阪)
「MUSUBU 4 人展」菱の実ギャラリー(兵庫)
「How are you, PHOTOGRAPHY? 展」ギャラリーマロニエ(京都)
2003 「15 少年漂流記」府立現代美術センター(大阪)
「CAUSE ON THE SURFACE」O ギャラリーeyes(大阪) 「現在芸術「かまぼこ」オープニング」かまぼこ(大阪) 「出店定食店」かまぼこ(大阪) 「炭と油とイチョウ並木/暗口-感光」アトリエ 2001(兵庫) 「15 少年販売機」GUSTO HOUSE(兵庫) 「京都写真展」ギャラリーマロニエ(京都)
press release
2004 「ハルオトコとハルヲンナ」Cafe CARINHO(京都) 「Visual Sensation」 Gallery Den(大阪)
「Ui Wang 国際プランカードアート 2004」(韓国/イワン市)
「こびるとこびない -15 少年漂流記-」ギャラリー白(大阪)
2005 「Art Court Frontier 2005」Art Court Gallery(大阪)
2006 「15 少年漂流記」府立現代美術センター(大阪)
2007 「VOCA 展 2007」上野の森美術館(東京)
「Art Court Frontier 2007 #5 ACCbox 」Art Court Gallery(大阪)
「ヨッチャンの部屋 vol.3 現代美術芸術家列伝」大阪造形センター(大阪)
2008 「風の FORM」ギャラリー風(大阪)
「BLUEDOT ASIA 2008」ソウルアーツセンター(韓国/ソウル市) 「比良から新しい風が VOL.52」比良美術館(滋賀) 「ペインタリネス 2008」ギャラリー白(大阪)
「MARKET TRACE」ART TRACE GALLERY(東京)
2009 「It's a small world」neutron kyoto (京都) 「星に願いを」neutron tokyo (東京)
2010 「とよた美術展 2010」豊田市美術館(愛知) 「鞍馬口美術界隈」オープンスタジオ展(京都)
「富士山展」neutron-tokyo(東京)
2011 「京都アペルト 2011」オープンスタジオ展(京都)
「SILENT @KCUA」京都市立芸大ギャラリー(京都)
「アートスロープ展」西武渋谷店 美術画廊(東京)
2012 「ミニアチュール展」JR 大阪三越伊勢丹 アート解放区(大阪)
「サイレント アクア 2012」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
「ARTFUL LIFE 展」JR 大阪三越伊勢丹 アート解放区(大阪)
2013 「アートがあれば II ─ 9 人のコレクターによる個人コレクションの場合」オペラシティアートギャラリー(東京)
2014 「サイレント アクア 2014」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
2015 the special exhibition of ART OSAKA 2015「Japanese Abstraction Paintings」ホテルグランヴィア(大阪)
2016 「ヤミ」HRD FINE ART(京都)
2017 「Big Sensation」Gallery Den mym (京都)
「サイレント アクア 2017」京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
2018 「ほしをみるひと」@KCUA(京都)
「開かれ 渋谷信之+寺島みどり 二人展」2kw gallery(滋賀)
2019 「PRISM 2019 vol.10」Contemporary Art Gallery Zone(大阪)


岸本吉弘(きしもとよしひろ)

1968 兵庫県神戸市生まれ
1992 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
1994 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了
1998 文化庁芸術インターンシップ研修員
2001 大和日英基金の助成によりロンドンにて滞在制作
2013 ルース・カッツマン奨学金の助成によりニューヨークにて滞在制作 2018 著作集「絵画 新たなる物語のために」(晃洋書房)発刊 現在、神戸大学大学院教授
主な個展
1991 G アートギャラリー(東京)
1992 かねこ・あーと G1(東京)
1995 ギャラリィ K(東京)[’96]
1997 ウインドーギャラリー(東京)
1998 ギャラリーαM(東京)
1999 ギャルリームカイ(東京)
2001 トアギャラリー(兵庫)
2002 トアロード画廊(兵庫)[’04,’05,’08,’10,’14]
2002 かわさき IBM 市民文化ギャラリー(神奈川)
2003 ギャラリーラ・フェニーチェ(大阪)
2006 西脇市岡之山美術館アトリエ(兵庫)
2007 甲南大学ギャルリーパンセ(兵庫)
2008 アスタくにづか 2 番館特設会場(兵庫)
2009 奈義町現代美術館(岡山)
2009 海岸通ギャラリーCASO(大阪)


●会期
2019年6月22日(土)~7月20日(土)

★アーティストトーク
6月22日(土)15:00~16:00


 ●会場
兵庫県芦屋市親王塚町3-11
電話 0797-20-6629
12:00~19:00  日・月曜日休廊