上田順平 個展『シン/エン』@イムラアートギャラリー京都


上田順平 シン: エン

ソウ/チ≫ 2019 レンガ、テラコッタ、陶器、炻器、半磁器、磁器、ファインセラミックス 
5×1200×5 [cm] Photo:Takeru KORODA
     

上田は、これまで「やきもの」が背負う文化や歴史、「うつわ」という概念、
装飾と機能および用途に対しての問いから、それらの関係性に着目した作品を制作してきました。

2010年には、「五島記念文化賞美術新人賞」を受け、同年より(旧)五島記念文化財団、
(現)東急財団の研究員としてメキシコに滞在しました。
本展は、(旧)五島記念文化財団の助成を受け、本年1月に横浜市民ギャラリーにて
開催された海外研修成果発表展での作品を中心に構成されます。

上田は、研修期間中に、メキシコの風土や文化、古代文明を伝える考古学資料に
触れたことにより、長い時間の中で紡ぎ出され受け継がれてきた「やきもの」の変遷や、
文明と技術と芸術の接点について考えるようになったと言います。
そして、水をすくう動作から生まれた掌のなかの水面の形に四角形を見たことから、
原初から現在までのヒトの営為を繋ぐ手がかりとして四角形という図形に注目し、
作品の要素としました。

一方、研修後の大きな変化として、これまで素材としてきた陶磁器に加え、レンガ、
瓦、*1ファインセラミックスを作品素材に用いるようになりました。
世界最古の建築資材の一つであるレンガと、焼き物の歴史の最先端に位置する
ファインセラミックス、そして、日本の風土から生み出され育まれ続ける瓦*2(淡路瓦)、
それぞれが持つ文化的背景や物質の特色から作品素材として選択され、
それらの焼き物だけが持つ材質感と色彩による表現を提示します。

イムラアートギャラリーの展示スペースは特徴的なレンガ床を呈しており、
作品としてのやきものと現代生活の中で機能する焼き物の在り方や、
作品と展示空間の豊かな色彩の重なりにもご着目いただけます。

本展では、これらの多様な「やきもの」を用いて、「最初の理の発見から
今日までのヒトの営為と物質と時間の関係」を可視化し、観者の中に一つの
体験を生み出すことを試みます。


*1ファインセラミックス
ファインセラミックスは、ガラスや陶磁器などの仲間であり、その中でも精製された
原料を用いて作られた高精密・高機能なセラミックスを指します。
自動車やスマートフォン等の部品として幅広く用いられています。

*2淡路瓦
淡路瓦は、日本三大瓦の一つであり兵庫県淡路島で制作されています。
淡路島特有の良質な土から作られ、煙で燻す事で表面に炭素の膜をつくる
「いぶし瓦」を主体とします。粒子が細かく美しい仕上がりが特徴です。
 

●会期
2019年9月27日(金)~10月26日(土)


※10月5日(土) は「ニュイ・ブランシュKYOTO2019」の開催にあわせて22:00 まで開廊
 
 
●会場
イムラアートギャラリー京都
京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31
開廊時間 :火曜日〜土曜日 / 12:00〜18:00
休廊日 :日・月・祝祭日
Tel : 075-761-7372