山本太郎 個展『Rimpa Reflection』@イムラアートギャラリー



山本太郎 Rimpa Reflection
《Flowers Iris Reflection》紙本着色金銀彩, 53×53cm, 2024(Photo:伊藤信)


 山本太郎は、1999年より日本の古典絵画と現代風俗を融合させた「ニッポン画」を提唱し、伝統的でありながらも革新に満ちた作品を数多く手がけてきました。近年、山本は「ニッポン画」の新たな試みとして、浮世絵に着目し、それらの図様をポップアート風にアレンジした「NEO UKIYOE」に取り組んでいます。
 本展では、この「NEO UKIYOE」に加え、今回初公開となる新シリーズ「Flowers Iris」をご紹介します。本シリーズは、琳派の大成者・尾形光琳の代表作である《燕子花図屏風》から着想を得て制作されました。金箔をふんだんに使用した絢爛たる画面に、リズミカルに配された群青と緑青の燕子花の群生という、日本人にとって非常に馴染み深いこの図柄に、山本は現代的な色彩・デザイン感覚を取り入れようとしたのでした。
 こうしたアイデアに強く影響を与えたものとして、アンディ・ウォーホルの《Flowers》シリーズが挙げられます。この有名な花のイメージには、多くのカラー・ヴァリエーションが存在します。ウォーホルは、シルクスクリーン印刷を用いて、鮮烈な色彩で平面化・抽象化したイメージを繰り返し生み出したのでした。実のところ、光琳もモチーフの反復という技を駆使した絵師でした。《燕子花図屏風》において、光琳が型紙を用いて一部図柄を画面内で繰り返していたことが明らかになっています。
 光琳とウォーホル、一見時代も国も全く異なるように思われるこの二人の芸術に、山本は共通性を見出しつつ、独自の感性でそれぞれの特徴を引き出し、より洗練された作品を展開します。


作家ステートメント

琳派は時代ごとに繰り返され、また時代を超えて日本の美術や工芸に多大な影響を与えてきました。
私も影響を受けた一人です。その琳派の影響が反射(Reflection)された新作シリーズでの個展を開催しま す。
私は近年、浮世絵をベースにポップアートのテイストを加えた「NEO UKIYOE」のシリーズを展開してきま
した。浮世絵は江戸時代のポップアートとも言われています。「NEO UKIYOE」はそれを現代的にアップデ ートさせました。 浮世絵を代表する絵師である葛飾北斎は画号を頻繁に変えたことでも有名ですが、実は勝川派を離脱し た一時期に二世俵屋宗理を名乗っていたことがあります。そういう意味では北斎は実は琳派でもあったの です。 琳派と浮世絵は同じ日本美術と言っても画風が少し違っているのですが、それでも京都の町衆や江戸の町 人といった支配層ではない普通の人々の間で人気があったという共通点があります。 そうした北斎の画歴をオマージュする意味でも、「NEO UKIYOE」のシリーズとそれを発展させた「RIMPA REFLECTION」のシリーズを同時に発表します。
「RIMPA REFLECTION」はアンディ・ウォーホルの「Flowers」のシリーズと尾形光琳の「燕子花図屏風」 の両方からインスパイアされた「Flowers Iris」のシリーズが初お披露目となります。 ギャラリー内がお花畑になったようなポップで華やかな空間を目指しますのでぜひ楽しんでいただければ と思います。



山本太郎/Taro Yamamoto
◆略歴
1974 熊本県生まれ
1999 ニッポン画を提唱
2000 京都造形芸術大学 美術学科日本画コース卒業 2013~2018 秋田公立美術大学 アーツ&ルーツ専攻 准教授 2018~2022 京都造形芸術大学(現:京都芸術大学) 基礎美術コース 准教授 2022~ 京都美術工芸大学特任教授

◆主な個展
1999 「ニッポン画」 複眼ギャラリー (大阪)
2005 「Who's clothes?-誰ケ袖-」 立体ギャラリー射手座 (京都)
2006 「日本 画屏風祭」 立体ギャラリー射手座(京都) 他京都市内9会場
2007 「日々是日本 ~ヒビコレニッポン~」 Bunkamura Arts&Crafts (東京)
2008 「山本太郎展」 イムラアートギャラリー(京都)
2009 「山本太郎展 ~ニッポン画物見遊山~」 美術館「えき」KYOTO (京都)
2010 「山本太郎個展 古典 -the classics‒ Tales」 第一生命南ギャラリー (東京)
2011 「山本太郎展 古典 -the classics‒ チェリー」 イムラアートギャラリー(京都)
2012 「JHQ」 イムラアートギャラリー(東京)
「Nippon Ga: Contemporary Visions of Classical Japanese Art」 ART ATRIUM(オーストラリア / シドニー)
2013 「24/24 -twenty four twenty fourth-」 イムラアートギャラリー(京都()東京)
「ニッポン画顔見世」  project room sasao(秋田)
2014 「古画光臨̶Coga Calling-」 日本橋髙島屋 (東京)
2015 「平成琳派 山本太郎×芸艸堂」 イムラアートギャラリー(京都)
2017 「#アケオメリクリ 山本太郎の紅白の部屋」 BIYONG POINT(秋田)
2 0 1 8   A - l a b E x h i b i t i o n V o l . 1 5 尼 崎 城 プ ロ ジ ェ ク ト 関 連 企 画 『 時 代 と あ そ ぶ   た び す る   つ く る 』「 山 本 太 郎 展 」       あまらぶアートラボA-lab(兵庫)
2019 「山本太郎個展 太郎冠者と太郎画家 茂山千之丞襲名披露記念|装束披露」イムラアートギャラリー(京都) 2020 「̶令和琳派̶ 山本太郎 ニッポン画」 大阪髙島屋(大阪)・新宿髙島屋(東京)・横浜髙島屋(神奈川) 2021  ニッポン画×浮世絵プロジェクト京都芸術大学芸術館 秋季特別展 「推し世絵」 京都芸術大学(京都) 2022 「推し世絵 令和の役者絵」 大阪髙島屋(大阪)・京都髙島屋(京都) 
「山本太郎清水寺プロジェクト」京都美術工芸大学の学生とのコラボレーション企画 清水寺経堂(京都)
「たろうつなぎプロジェクト成果展 たろうとニッポン画わたし話」 つなぎ美術館(熊本) 2023 「山本太郎のニッポン画ランド」 ART SHINSAIBASHI TRENDING ART SPECIAL 
心斎橋PARCO 14F PARCO GALLERY/SPACE 14(大阪)
   「山本太郎展 Gacha-Pop★Nippon-Ga ガチャポップ★ニッポン画」神戸阪急本館4階アートギャラリー(兵庫)     「山本太郎 -NEO UKIYOE-」 新宿高島屋(東京) 2024 「山本太郎展 ニッポン画 初花月」 小松クラフトスペース(秋田)    「日本画×ニッポン画 山本太郎の世界展」 神戸阪急(兵庫)
◆主なグループ展・企画展
1999 「第四回昭和シェル石油現代美術賞展」 目黒区美術館 (東京)
2000 「フィリップモリスアートアワード2000」 恵比寿ガーデンプレイス (東京)
2004 「京都府美術工芸新鋭選抜展 2004 -新しい波-」 京都府京都文化博物館 (京都)
2005 「日本画ジャック」 京都府京都文化博物館 (京都)
2006 「砂の女と現代の美術」 京都芸術センター (京都)
2007 「VOCA展 2007」 上野の森美術館 (東京)
2008 「『日本画』の精華 -江戸から現代まで」 富山県水墨美術館 (富山)
2009 「子どもびじゅつかん 日本画探検 ~古い絵と新しい絵~」 板橋区立美術館 (東京)
    「九州ゆかりの日本画家たち」 熊本市現代美術館 (熊本)
2011 「九州新幹線全線開業特別企画(井手ギャラリー)キャラクターズ-九州ゆかりの若手作家たち」      熊本市現代美術館 (熊本)
 
2012
2013
  「 S E N D A I S O H O P R O J E C T 卸 町 A R T F E S T A 2 0 1 1 」  仙 台 ・ 卸 町( 宮 城 ) 「第五回東山魁夷記念 日経日本画大賞展」 上野の森美術館(東京) 「Kamisaka Sekka: Dawn of modern Japanese design」 
ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(オーストラリア / シドニー) 「KAMIKOANI PROJECT AKITA」 上小阿仁村 八木沢集落(秋田) 「ネオ・クラッシック!カクノダテ」 角館 安藤醸造元本店蔵座敷(秋田) 「ジパング展 -沸騰する日本の現代アート」 
高崎市美術館(群馬)、八戸市美術館(青森)、秋田県立近代美術館(秋田)
「The Audacious Eye -Japanese Art from the Clark Collections-」 ミネアポリス美術館(アメリカ)
2014  「あきたの美術」 秋田県立美術館県民ギャラリー(秋田) 2015  「第六回東山魁夷記念 日経日本画大賞展」 上野の森美術館(東京)     「琳派四百年 古今展̶細見コレクションと京の現代美術作家」 細見美術館(京都)     「琳派四百年記念特別企画展 京都画壇にみる琳派のエッセンスーユーモアとウィットー」 
堂本印象美術館(京都)     「琳派からの道 神坂雪佳と山本太郎の仕事」 美術館「えき」KYOTO(京都)     「風神レイ&雷神カイロ・レン屏風・お披露目展示」 清水寺(京都) 2016  「異界をひらく―百鬼夜行と現代アート―」 秋田県立美術館(秋田)
    「IMAYŌ今様: JAPAN’S NEW TRADITIONISTS」 ハワイ大学アートギャラリー/ホノルル美術館(ハワイ)     「NIHON画ー新たな地平を求めてー」 豊橋市美術博物館(愛知) 2017  「今様 昔と今をつなぐ」 渋谷区立松濤美術館(東京)     「開館40周年記念展覧会 おもかげものがたりー山本太郎作品と館蔵品とー」 島田美術館(熊本) 2018  「第七回東山魁夷記念日経日本画大賞展」 上野の森美術館(東京)
    「Nihonga」展 MICHEKO GALERIE(ドイツ /ミュンヘン)
2019  「UTSUSHI 山本太郎×宮川真一2人展」 銀座三越7階ギャラリー(東京)
    「日本の美 美術×デザイン 琳派、浮世絵版画から現代へ」 富山県美術館(富山) 2020  「神宮の杜芸術祭「紫幹翠葉(しかんすいよう)-百年の杜のアート」 明治神宮ミュージアム(東京)     「リニューアル・オープン記念展IART in LIFE, LIFE and BEAUTY」 サントリー美術館(東京)
2022 「ART@DAIMARU」 大丸京都店(京都) 「TIDE―潮流が形になるときー」 kagoo(大阪)
2023 「シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画」 ポーラ美術館(神奈川)
   「原神フォンテーヌ展覧会」 ラフォーレミュージアム原宿(東京)
   「今、日本画が熱い ~時代を切り拓く Neo Japonismの作家たち~」 博多阪急(福岡)

◆パブリックコレクション 
京都造形芸術大学 
日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社 
第一生命保険株式会社 
株式会社東北新社 
石川県政しいのき迎賓館 
熊本市現代美術館
Art Gallery of New South Wales(オーストラリア)
国立ヴィクトリア美術館(オーストラリア) ミネアポリス美術館(アメリカ)
任天堂株式会社 
佐藤美術館 
島田美術館 
つなぎ美術館

◆受賞
1999  第四回昭和シェル石油現代美術賞 入選 2000  フィリップモリスアワード2000 入選
2007 VOCA賞 2012  第五回東山魁夷記念日経日本画大賞 入選 2015  京都府文化賞 奨励賞 2015  京都市芸術新人賞 2015  第六回東山魁夷記念日経日本画大賞 入選 2018  第七回東山魁夷記念日経日本画大賞 入選

 

●会期
2024年7月20日(土)~8月9日(金)
12:00~18:00 
休廊:日月曜祝 



●会場 
イムラアートギャラリー
京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31
TEL: 075-761-7372


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福音館書店母の友編集部
福音館書店
2014-04-20